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DPS開発部 DPSインク開発課

2018年入社

物理学専攻修了

馴染みのない会社でしたが、高い技術に驚きました

大学院までは光を用いて物質の構造を分析する物性物理系の研究を行っていました。ものづくりからは遠い領域の研究内容でしたが、就職活動をする際にはそうした実験中心の仕事よりも自らの手を動かして、何かを作るような仕事をしてみたいなと考えていました。特に小森コーポレーションをはじめとする印刷機械メーカーについては、就職活動を始めるまでは、その存在をまったく意識することがありませんでした。就職活動中に当社について知り、紙幣を印刷できるほどの高い技術を持ったメーカーが日本にあることに驚き、ぜひこういう会社で働いてみたいと思ったのを覚えています。また、デジタル印刷機械やプリンテッドエレクトロニクス(PE)分野など、既存の事業だけではなく新規事業にも取り組んでいることも分かったため、新しいことに挑戦できそうだと思ったのも入社を決めたきっかけです。
ただ、工学系出身の同期に比べれば、どうしてもものづくりに関する知識で遅れを取っていることは否めません。そういう意味で不安を感じる部分もありましたが、周囲には快く何でも教えてくれる先輩が揃っていて、不安はすぐに仕事を覚えていく楽しさに変わっていきました。
入社後、最初に配属されたPE開発課では半導体製造に用いるグラビアオフセット印刷技術の研究を担当しました。自分で実験内容などを考えることができ、また自分たちの成果を国内外で発表するなど、やる気に応じて大きなやりがいを手にすることができて、いろいろな仕事にチャレンジできる環境が整った会社だなと実感できました。

未来の印刷技術を、私なりのオリジナリティで

現在は、PE開発課で行ってきた仕事を論文にまとめる業務と同時に、DPSインク開発課でデジタル印刷に最適化されたインクの開発業務に携わっています。デジタル印刷は当社が得意としてきた従来のオフセット印刷とはまったく仕組みが違う印刷技法ですが、これまでよりも印刷工程が省略できるため、新しい時代の印刷技術として大きな注目を集めています。そんな中で、どのようにすればデジタル印刷でも精緻な表現を実現できるのかをインクの側面から研究するのが私の役割です。
デジタル印刷機械では電気の刺激によってインクを射出しますが、電気信号の波形が変われば、インクの飛び方も変わるため、この信号に合わせたインク特性が非常に重要になります。信号との相性が悪ければ、インクが飛ぶ速度が変わったり、余分なインクが飛んでぼやけた印刷になってしまったり、場合によっては余白部分に汚れを生み出してしまうことさえあります。
そのため、現在はこの信号に最適なインク特性を見つけるための実験や測定を重ねています。
一方で、お客様からの小森コーポレーションに対する期待は大きなものがありますので、正直、周囲からの期待がプレッシャーになることもあります。ですが、当社は知識や技術向上に対するバックアップも充実し、何より、私たちが「これをやってみたい」と手を挙げたことに対して、積極的に支援してくれる企業風土があります。研究活動もどんどん面白く感じられるようになってきました。社会に貢献できる夢のある技術に携われていますので、自分なりの発想力も磨きながら、オリジナリティあふれる技術の実現に向けて頑張っていきたいと思います。

※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。